土地の活用

平成27年分の相続税の申告状況について(国税庁報道発表資料)によれば、相続財産の金額の構成比は、土地41.3%を占めています。
相続財産の中に占める土地の割合が大きい場合、遺産分割で相続財産を現金で渡したり、相続税を納付するための現預金を準備する必要があります。
また、相続対策不足で遺産分割そのものが難航し兄弟間の関係が悪化する至るケースもあります。
このような場合、資金の捻出には、土地の売却で対応することが考えられますが、売却が円滑に進まない可能性もありますので、事前の対策が重要となります。


アパート・マンション経営等

土地の有効活用として、相続対策を兼ねアパート・マンション経営、貸宅地、不動産管理会社の設立があります。このような場合、不動産の適正な評価額算定、土地賃貸契約書の作成や税務申告のお手伝いをします。

  1. アパート・マンション経営
    被相続人の土地にアパートを建てると、その土地は貸家建付地として評価され、自用地と比較して評価額が低くなり、節税効果が期待できます。
    ただし、アパートの建築資金の借入を同時に行うと、償還期間の長い借入となるので、相続税対策だけでなく、将来にわたっての借入金返済も検討することが必要です。
  2. 土地を他人に賃貸
    土地を他人に貸して借主が建物を建てる場合には、その土地は貸宅地として評価され、自用地と比較して評価額が低くなり、節税効果が期待できます。
    ただし、借主が非常に強い権利を持ちますので、土地の売却や賃貸契約などの解除の際に注意が必要です。 
  3. 不動産管理会社や不動産所有会社の設立
    不動産管理会社や不動産所有会社を作ることで、節税を図ることが可能です。
    なお、法人設立のメリット・デメリットも事前に検討する必要があります。

土地の交換

相続対策として、共有不動産の共有解消や底地の譲渡等があります。このような場合、不動産の適正な評価額算定、土地交換契約書の作成や名義変更等のお手伝いをします。

  1. 共有不動産の共有解消
    所有不動産の共有持ち分の解消として、他の不動産との交換や共有持ち分を避けるための不動産分割を検討します。
  2. 借地権と底地の交換
    分割可能な一定の広さがある貸宅地について、地主が所有する底地と借地人が所有する借地権を交換して、両方を土地の所有者とすることを検討します。

土地の譲渡

相続対策として、底地の譲渡や底地権と借地権の一括譲渡等があります。このような場合、不動産の適正な評価額算定、売買契約書等の作成と名義変更や税務申告等のお手伝いをします。

  1. 底地の譲渡
    長期間貸地としている場合、借地人の権利が強く売却ができないケース、地代が周辺相場より安いケース等があります。このような場合、相続が発生した際にその土地を買い取ってもらえるような合意が借地人の間であれば、契約書に特約事項として含めておくことを検討します。
    生前に借地人に売却すると所得税が多額になる可能性があります。このような場合、相続発生後に買い取ってもらえれば相続税の取得費加算の特例を適用することができます。
  2. 地主の底地権と借地人の借地権を同時に譲渡
    底地権または借地権の一方を第三者に売却すると安い価格でしか売れませんが、一緒に売却すれば妥当な価格で売却できます。地主と借地人が事前に売買斡旋金額と権利割合等の諸条件を書面で合意することにより、トラブル無く売却することが可能です。